土地や建物などの不動産の権利関係は、不動産取引において一番注意が必要です。購入後のトラブルを避けるためにも、事前に権利関係を十分に確認しておくことが大切です。ここでは、基本な土地の権利を簡単にまとめてみました。

所有権とは、自分が所有する土地の権利のことです。所有している間は、その土地を自由に使用できることはもちろん、売ったり貸したり、家を建てたり、建て替えたりすることも原則として自由。土地を所有すると地代(賃料)はかかりませんが、固定資産税と都市計画税を支払う義務が生じます。
借地権は地主である土地の所有者から、一定の期間を決めて土地を借りる権利のことです。地代はかかりますが、固定資産税などの税金はかかりません。契約の更新が可能で、地主の承諾を得れば建て替えもできます。ただし、同じ借地権でも「定期借地権」となると更新はできませんので、契約期間が終われば建物を取り壊し、更地にして地主に土地を返さなければなりません。

戸建では、多くの場合自分が100%土地の所有権を持つことになります。そのため、自由に土地を売ることができ、土地の資産価値も高くなります。
マンションの場合、所有権は複数の所有者の共有となります。住居となる専有部分を「区分所有建物」と呼び、自分はこの部分の区分所有権を持つ「区分所有者」となります。ロビーや集会室など共同で使用する「共有部分」を含め、マンションが建つ土地は区分所有者全員が共有し、専有部分の床面積の割合により自分の土地の持ち分が決まります。マンションが戸建と違うのは、土地の権利を100%持つのではなく、区分所有権を持つこととなるため、自分の持ち分が何坪あるからと共有部分と専有部分を別々に処分することができない点です。

不動産登記とは、土地や建物など自分の大切な財産の所在や面積などの権利関係を公的に明確にするものです。登記には『表示の登記』と『権利の登記』があり、表示の登記は、土地の場所(所在・地番)を特定し、どのような目的で使用される土地(地目)なのか、土地の大きさ(地積)はどのくらいあるのかなどが記されています。権利の登記には、所有権は誰にあり、抵当権は誰にあるかなどが記されています。こうした情報は法務局の「登記簿」に記録・保存され、面積や所有者の確認、抵当権の有無などを確認することができるようになっています。

平成16年に不動産登記のオンライン申請がスタートし、登記所に行かなくともインターネット経由で登記申請ができるようになりました。その際、書面としての従来の権利証に代わり『登記識別情報通知書』が発行され、AからZまでおよび0から9まで12桁の英数字(登記識別情報)が所有権を持っているかどうかの証となります。権利証と異なり登記識別通知書を大切に保管しても、他人に登記識別情報となる12桁の英数字を見られて悪用される可能性があります。万一、誰かに知られてしまった際には、登記識別情報そのものを失効する制度もありますが、他人には通知書を見せたり識別情報を教えたりしないようにして下さい。また、従来の権利証は今後も登記の際に必要となります。
