Vol.14 「おとぎの国の住人になれる家」

にぎやかな新所沢駅周辺を抜けると、閑静な住宅街。そこに佇んでいるのは、
世界的に有名なテーマパークの街並みを彷彿させる、アーリーアメリカン風の家。
新居への引っ越しを間近に控えたH様邸におじゃまして、
念願のマイホーム実現までのお話を伺ったひとときは、
ライオンズファンでもあるT様ご夫妻に、
おとぎの国の住人になったような気分を味わわせてくれました。

ここに元々お住まいだったH様は、当初は別の場所にマイホームを購入される予定だったそうですね。

「この場所には妻が生まれ育った家が建っていて、結婚以来ずっと住んでいました。しかし、隣がアパートだったので、日当りが悪い。そのため新聞の折り込み広告に掲載された建売り物件をいくつか見ていたなかで知り合ったのが、住協小手指支店(現・東久留米支店)の営業担当の竹浪さんでした。そうこうしているうち、隣のアパートが取り壊しになるという話を聞いたんですよ。隣の土地を購入できるのであれば、住み慣れた場所に日当りの良い広い家が建てられる。そこで、建売り物件を見に行って以来、熱心に連絡を取ってくれていた竹浪さんにお願いし、アパートの土地を仲介してもらったんです」

大切な家づくりを住協に任せようと決断した理由は?

「隣の土地の仲介を住協さんに依頼した頃でした。休日、入間市内の映画館に入ったところ、上映前のコマーシャル・フィルムで自分の理想に近い物件が紹介されていたんです。それこそ住協さんが手掛けていた“時空の庭 グランシア三芳町”で、欧米の街並みを見事に再現したクラシックな建築様式に惹かれました。実は私、社会人になった頃から世界的に有名なテーマパークの大ファンで、今も家族で年に何回かは訪れています。夢とおとぎの国から帰宅した後も、ファンタジーの世界の余韻に浸れる洋風の家に住んでみたい。そんな私の思いを“時空の庭”をつくった住協さんであれば実現してくれる、と確信しました」

“集”と“個”で叶えた、古き良きアメリカンスタイル

細部にまでこだわった家づくりは、どう進められたのでしょう。

「まず自分が住みたい家のイメージをスケッチして、設計担当の藤本さんと綿密にやりとりしながらカタチにしていきました。『クイーン・アン様式(18世紀前期のアン女王の時代に英国で生まれ、米国で発展したスタイル)ですね』と、藤本さんがいち早く私のイメージをつかんでくださったのでやりやすかったです。住協さんには“時空の庭”で私のスケッチと良く似たスタイルの家を手掛けた実績があったので、そこで使った輸入部材を外の手すりなどに使ってもらいました。そこに、私が用意したエクステリア部材を加えていったわけですが、住協さんの経験の集積に個人のこだわりがうまくマッチングしたと思います」

設計から施行完了までは順調でしたか。

「解体工事の最中、井戸がぽっこり出てきたんですよ。井戸の上に家を建てるのはよくないと昔から言われているので、井戸の周囲をパティオ(中庭)にする設計に変更しました。しかし、この中庭が癒しのスペースになっただけではなく、中庭に面した窓のおかげで採光が向上し、1階も2階も室内がさらに明るくなりました。まさしく、怪我の功名でしたね。ただ、当初は屋根をお城のように高く尖らせたかったのですが、第一種低層住居専用地域のため実現できず、唯一の心残りに(笑)。あとはとても満足しています」

住み慣れた場所で、家族の新しい幸せが羽ばたく

まもなく新居へのお引っ越しで、ご家族も楽しみにされているでしょう。

「上の娘は5歳、下の娘は3歳です。2階に娘たちの部屋もそれぞれ用意したのですが、ひとりで眠れないうちはリビングで寝るようになるかもしれません。部屋の使い方も、子どもたちの成長とともに1階から2階へとシフトしていくような感じになると思います。家族4人の個人部屋は、風水的にそれぞれに良い方角に割り当てました。部屋によって異なる人気キャラクターを配したインテリアにしようか、創造力がふくらみますね」

屋根の風見鶏も、明るい明日を象徴しているかのようですが……。

「昔、神戸で初めて異人館を見たときから、いずれ家を建てたときは風見鶏を付けたいと思っていたんです。鳥は酉を司るとされるので、風水的に酉の方角に設置しました。鳥は天の遣いと考えられているそうですが、家を新築したことで新鮮な気持ちになって、家族みんなが未来に羽ばたけていけたらと思っています」

1階の中庭は、不思議の国に迷い込んだ少女の物語を連想させる空間。アート作品のような構成に目を奪われ、思わず「デザイナーはどなた?」と伺うと、「私がオブジェを購入し、昨夜、汗だくで配置したんです」とH様。そばから奥様が「しっかり手伝わされましたよ」と微笑まれました。家への思いは、家族への思い。ご両親のたっぷりの愛情で幼いお嬢様たちがすくすく育まれていく様子を、屋根の風見鶏や中庭のオブジェたちもやさしく見守っていくのでしょう。