バス便物件の物語

飯能支店長 池田 浩史

滲み出てしまうダンディズムは一体どのように形成されたのか!という、物腰柔らかな、温かみのある支店長。中年になった男性であれば誰もが憧れるそのルックスは、嫉妬するべきか!?

宅地建物取引士/木造ハウジングコーディネーター/損害保険募集人

駅までの徒歩距離が近い物件に住みたい――。


これは、多くのお客様が望むことです。その大前提があるがゆえに、マンションに住む方は数多くいらっしゃいます。ですが、一概に駅から近い=良い物件であるとは限らないところが不動産の面白いところ。多少駅から離れていても、人気の住宅地というのはたくさんあります。

例えば、バス便でも人気の地域があります。私どもが得意としている飯能市でいえば、美杉台などが筆頭にあげられるでしょう。この地は、居住者にとって本当に住みやすい施設、環境が計画的に配置されており、高台から見える夜景や、新緑の美しい公園、便利な大型スーパーなどが揃い、住環境と自然環境がバランスよく調和する暮らしやすい街と言えます。
もちろん、早朝から深夜まで出ているバス便も多々ございますし、飯能駅は始発駅でもあるので、座ってゆったりと通勤できるのが魅力です。


今回は、そんな美杉台に住むお客様のエピソードをお話ししてみたいと思います。

そのお客様――ご主人様は、最初、バス便の美杉台の物件ではなく、駅に近い物件をお望みでした。しかしながら、奥様は美杉台の整然とした街並みに惹かれており、落ち着いて暮らせる環境をお望みだったのです。大きな犬を飼いたいという夢もあり、大きな公園のある美杉台はうってつけの地であったのでしょう。

通勤を重視していたご主人様は、美杉台に住むことは当初反対であったのですが、奥様の願いを最大限叶えてあげたいという思いから、美杉台の戸建てをご契約いただきました。

実はこのご夫婦さま、奥様は再婚でした。そして、お子様が中学生の時に今のご主人様と出逢われ、高校進学と同時に家を購入するため、ご一緒に家探しをし、美杉台に居を構えたのです。


先日、ご家族様が美杉台に住まわれ数年が経過した際、定期点検のお願いの電話がご主人様からあり、久しぶりに話をする機会がありました。私もじわりと感動した話であったのですが、ご主人様は、バスが、お子様とのコミュニケーションツールとなったというのです。はじめて一緒に暮らし始めた息子さんと、偶然にも通勤時間、通学時間がかさなったとのことで、毎日バス停まで歩き、バスに揺られ、思春期のお子様との大切な時間を過ごせたというのですね。ご主人さまはご帰宅が遅く、お子様とのコミュニケーションがとれることが少なく、ほとんど朝の通学時がピンポイントだったと仰います。

バスでは、学校での試験の話をしたり、部活動の話をしたり、朝ごはんの話をしたり、共通の趣味となったカメラの話をしたりと、たわいもない会話を通じながらどんどん打ち解けていき、2年生になったときには、男同士の話――つまり「彼女ができたんだよ!」なんていう話までできるようになったといいます。


どうやってコミュニケーションをとってゆくか、どんな風に話をしていったらいいのか、お互いに掴みかねないままに一緒に暮らしはじめた、血縁関係のない父子。しかしバス便という、限られた毎日の駅までの数分の物語が、家族としての繋がりとして、絆として強く育まれてゆく貴重な時間だったのでしょう。

このようなお客様でなくとも、駅でバスを待っているときに、家族がばったりと会ったりすることを何度か目にしたことがありますが、かけがえのない時間を、バスという空間の中で過ごせるということも、バス便物件の一つの魅力なのだと思います。


駅に近い、ということだけでなく、こんな風な物語が生まれる物件もあるのですね。子どもと過ごす時間は以外と短いものです。その時間を大切にできる暮らしは、とても素敵だと思います。


飯能支店では、この美杉台での物件も広く扱っております。ご興味を持たれた方はお気軽にご連絡くださいね。