健康で暮らせることの大切さ

川越支店課長 小林 冬青

物腰柔らかで、誠実かつ温かな心を持った優しき人。これ以上の紹介があるだろうか?というほど、誰もが同じ回答をするであろう。部下から愛され、上司から信頼される営業課長。

住宅ローンアドバイザー/木造ハウジングコーディネーター

人間にとって「太陽の光を浴びる」ということはとても大切なことであり、実は健康面にも大きく影響を及ぼします。適度な紫外線を浴びることは身体にとても良いことだと言われています。

太陽光を浴びずに、カーテンを閉め切ったような夜型の暮らしをしていると、体内時計が乱れ「幸せホルモン」ともいわれるセロトニンの働きが鈍くなり、最悪のケースでは、睡眠障害を引き起こしたり、うつ病などの精神疾患につながることもあり、太陽の光を浴びることは、心身の健康のために大切なことだといえます。


さて、私が担当させていただいたお客様で、新居にお住まいになられてから「体調がすごくよくなった」と喜ばれているお客様がおります。
お子様の進学にあわせ、アパート住まいから建築条件付土地、つまり住協でセミオーダー住宅の戸建を購入されたお客様なのですが、日頃より奥様は冷え性と睡眠障害に悩まされていたといいます。アパート時代は、いわゆる北側のお部屋が寝室で、陽が入らず、冬は一日中寒いという、女性にとってはとても辛い環境だったようです。

ご主人さまも奥様の健康面を心配されており「妻をはじめ、家族が元気になる家にしたい」と仰っておりました。
だから、設計時に一番気を使ったのは、家の中が「明るく、暖かい」こと。寝室を2階南東側に配し、朝陽を浴びれること。住んでいるだけで、心があたたかくなること。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、その良さをより引き出すためには、土地形状や建築基準法によっても違いますし、何よりも蓄積された経験が必要なのです。

また、暮らしの中で空間一つ一つに、あたたかな印象が形成されるよう設計することも重要でした。建具ひとつをとっても、クールな印象と、ウォームな印象の建具では毎日の暮らしの中での感情面でも変わってきます。どんな暮らしをしたいのか、どんなことに困っているのか、この二つを軸に家づくりをすることが、家づくりで失敗しないための最低条件であるといえます。



さて、このお客様の家が、どんな家だったのかを簡単に記したいと思います。


リビングは床暖房を設置。予算の関係上、床暖房はリビングのみとしましたが、限られた予算の中でメリハリをつけ、何が一番大事なのかをご一緒に探り、妥協できない部分、後から変更できない部分にお金をまわすこととしました。
断熱性能は元々高い住協の家ですから、それをさらに高めるための床暖房を設置し、冬でもポカポカの暮らしを実現できることに加え、花粉の季節の部屋干しにも便利なホスクリーンをリビングに配しました。

次に特徴的なのは日々の暮らしの中で、ぬくもりを感じさせてくれるウッド調の高機能サッシ。あたたかみのあるイメージは、ナチュラルな印象で、より人間味ある感覚を与えてくれます。もちろん、断熱性能、遮熱性性能においても素晴らしく、夏の強烈な日差しはしっかりカットしてくれる優れものです。フローリングも同一のナチュラルカラーで統一感を出しました。

そしてお子様の勉強や、奥様、ご主人様が自由に使えるカウンターも設置し、勉強に、読書に、趣味に、隠れ家のように楽しめる場所を設置しました。お子様が寝静まる夜に、ご夫婦で少しだけお酒を飲みながらお話しできたら素敵だな、というような空間です。



このように、様々な部分にまで気を使い設計した家。
お引越しされてから一年。先日、嬉しいことに、ご自宅でのお食事に招待していただきました。

ご夫婦で腕をふるったという美味しい料理をいただきながら、元気になられた奥様の姿と、すこしほっとしているようなご主人様の優しい笑顔が印象的でした。 奥様は、家が暖かくなったことで冷え性が改善し、睡眠もしっかりとれるようになったといい、何より体調を崩すことが一年を通しなかったと仰っておりました。 また、奥様が席を外したとき、ご主人様はこう仰いました。「妻は少しメンタル的に調子が良くなかったのです。快適な家に住めたことで、元気が出てきたようです。本当にこの家に住んで良かったです」と。

私もそんな言葉をいただいて、ああ、少しでもいいお手伝いができたのなら良かったな、と思いました。それからもたくさんの話をして、笑って過ごした時間は私にとってとても大切な思い出になりました。



家は、家族が住む場所であり、そして、笑い、泣き、悩み、喜ぶ場所です。でも何よりも、人には健康が第一。だから、少しでも健康面や精神面で、家にいることでプラスになるような設計、提案をしてゆきたいと思います。


笑い、泣き、悩み、喜ぶことも、健康なくしてはできないのですから――。