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その資産は愛情に。

大泉支店課長 高藤紘治

最初は少し怖い印象を受けるかもしれないが、接してみれば圧倒的な笑顔と人当たりのよさに感動してしまうほど。 ギャップ萌えとはこのことか。接客時の真剣さは近くにいる社員が泣きそうになるくらいに熱く優しい。そして男気のある支店での兄貴分であり人情家。

住宅ローンアドバイザー/損害保険募集人

今回は、賃貸での暮らしを続け、50歳になって、はじめての家を購入されたお客様のお話しをしてみようと思います。

こちらのお客様、「ローンを組んで新築戸建てを購入するのには年齢的に最後のチャンスかもしれないから…」と、ご家族そろってご来店頂きました。
ご主人様、奥様、中学校1年生、小学校4年生の娘さんの4人で、賃貸生活を送られていたこちらのご家族さま。これまでにも何度か家を購入しようと考えたこともあったそうですが、 タイミング等を含め上手く話が進まなかったといいます。家の購入って案外タイミングが大事だったりするんですよね。


お話しをしてみると、慣れ親しんだ学校を転校させたくないと、学区限定、つまり同じ学区での新築住宅をご希望でした。
しかし、この学区域は駅徒歩20分強の場所でありながらも非常に人気の地域であり、新築では残念ながら手の届かない状態でした。 つまり、学区限定で物件を探すと、古く狭い中古住宅しかありません。ご購入いただいても、結局、建て替えやリフォームが必要となり、高くついてしまう状態の家ばかりです。 もちろん、中古の現況のままでも住むことは可能です。それで学区が変わらないのならそれも良いかもしれません。

ご主人さまは「学区を変えたくないから、中古でかまわない」と仰います。 ではまず見学に行きましょうと、いくつかの現地へご一緒しました。
浮かない様子で物件を見学していたその一週間後くらいでしょうか。お客様から、学区の変わらないあの中古戸建てを契約したい、とお申し出がありました。 普通なら、ありがたいことです。私たちからすれば当たり前のことです。きっと奥様とも相談の上で決めたことなのでしょう。


―でも。


それでも僕はその選択には反対の意を唱えました。
ご家族様の浮かない表情を目の当たりにしたこともその理由の一つに挙げられますが、もっと良い選択肢があると考えたからです。 僕はこうお伝えしました。「今後のお嬢さん2人の暮らしを一番に考えてみませんか」と―。

すると、「考えているからこそ学区にこだわるのです。娘たちも転校はいやだって言っていますよ」と仰います。 ご主人様は子ども時代に親の転校で引越しが多かったということも影響しているかもしれません。 せっかくできた友達から離してやりたくない、同じ学校でそのまま過ごしてほしい、という想いが人一倍強く、お子様の気持ちが手に取るようにわかるのでしょう。

それでもやっぱり僕は思うのです。
このご家族は、一駅下っても、新築を購入した方が将来的に幸せなんじゃないかと。

「お二人のお子さんは、お姉ちゃんが中学2年生ですから、卒業間近です。妹さんは小学校4年生ですから、中学卒業まであと5年ほど。 せっかくできたお友達から離してしまうのはご主人さまからすれば可哀想かもしれませんが、遠くに引っ越す訳でもないから結果的にお友達も増えて、将来の心の財産になるのではないでしょうか。
そして、学区を変えずに古い中古住宅を購入してリフォームをしながら住むよりも、お子様に「新築住宅」という財産を残してあげられることの方が、 将来的な資産として見ても良いですし、ひとつの愛情のカタチだと思います。それに、中学を卒業し、高校、大学と進学しても、女の子の場合は一人暮らしをするケースは少ないです。 駅チカの物件であれば通勤・通学後の帰り道も心配が少ないでしょうし、慣れ親しんだ今の地元も自転車で10分程度です。きっと今よりもお友達もたくさん増えますよ。」


その後、最初のご来店から一カ月が過ぎようとしていた日曜日、一駅下った、駅チカの新築戸建てへとご家族全員で見学に行きました。
到着し、玄関の鍵をあけ、窓を開けると、真新しいその家に光が射し込み降り注ぎます。陽当りが素晴らしく、とても明るいリビングに、奥様の表情にも自然に笑みが。 お子様ふたりも大興奮です。このおうち、あかるい!かわいい!木のにおいがする!ここにしようよ?って。お姉ちゃんは、ここの部屋わたしが使いたいな!と嬉しそうな様子です。 複雑な顔を見せるご主人さまは、お子様に「でもこの家に住んだら、転校しないといけないんだよ?」と諭すように言います。
しかし、二人の姉妹は「そんなに遠くないから○○ちゃんたちにもすぐ自転車で会いにいけるよ」「新しい友達も増えるよ!」「●●駅もすぐ近くだからお出かけもたくさんできるよね?」と嬉しそうに話すのです。


お子様二人は、まだ小さいながらも、学校を転校しなければいけないという恐れにも似た気持ちにサヨナラをして、変化することの期待にワクワクしながら、数週間を過ごしていたのでしょう。 子どもって、そういうところ、ありますよね。

人生は取捨選択の連続です。いつも何かの選択があります。過去にこだわって、新しい世界を見れないのはとても残念ですし、もったいないことです。 何かに固執して、違う考えを取り入れないことも、もったいないことです。もちろん、過去や信念を大切にするということはとても素晴らしいことですが。


お客様は「50歳」にして新しい道を歩む決意をされました。
奥様の優しい笑顔と、二人のお子様の、まるでひまわりのような笑顔、そして、新しい木の香りに包まれながら。