入間でひとと会う

ティーポットイラスト

横田 哲也さん

フランス料理店
『ウェロニカ・ペルシカ』 シェフ
横田 哲也さん

自然との調和を目指したフランス料理店。
「ここでしか食べられない料理」を気軽に楽しんで頂きたい。

■プロフィール
「プリンスホテル」「ミクニ丸の内」「ミクニナゴヤ」、スイスの有名ホテル「ボーリバージュ」にてフランス料理の修行を重ね、帰国後は国内フレンチ最高と賞賛される「ラ・グランターブル・ドゥ・キタムラ」にて北村竜二氏のもとスーシェフを務める。2008年に、「自然との調和」を目指した「ウェロニカ・ペルシカ」を埼玉県入間市にOPEN。

入間にウェロニカ・ペルシカをオープンするまで

実を言うと、初めから料理に対する特段強い想いがあったわけではありませんでした。ただ、手に職の付いた職人になりたいという想いはあったので、そこから調理師を選んだというのが正直な所です。私は生まれが飯能なので、最初は飯能プリンスホテルに従事していました。もちろん右も左も分からない見習いだったので苦労はしましたが、3年間の修業を経て、東京の「ミクニ マルノウチ」でオープニングスタッフとして勤めた後、名古屋の同レストランへ移動しました。そこで、師匠にあたる北村竜二シェフと知り合ったのです。

その後は北村シェフの紹介もあって、スイスに渡り「ボーリバージュ」で研鑽を重ねました。帰国後は北村シェフの「ラ・グランターブル・ドゥ・キタムラ」でスーシェフとして、さらに深い技術と、それ以上に料理に対する愛情を学びました。教わるなんて生易しい世界ではなかったですね(笑)。当時は名古屋が一番盛り上がっている頃で、とにかく毎日が忙しかったのです。シェフご自身が鬼のように働いていらしたので、スーシェフの私がシェフよりも働かないという選択肢などは無く、とにかく必死で食らいついていきました。その頃はまだ独立なんて考えてもいなかったのですが、突然父親が手術をすることになってしまい、家族からも「こっちに戻ってきたら?」と言われていたので、その流れで埼玉に戻ってきましたね。それが2008年。31歳の頃に入間の祖母の自宅を引き継ぎ、改築してオープンしたのが、このウェロニカ・ペルシカです。

横田シェフ

インタビューに応対してくれた横田シェフ。優しく丁寧にご対応頂きました。

ウェロニカ・ペルシカの外観

ナチュラルな佇まいがお洒落なウェロニカ・ペルシカの外観。駐車場が広い為、車でも安心。

高級食材ばかり使ったフランス料理は需要がない

父の関係もあって入間でお店を始めることは決まっていたので、まずは土地の風土や需要から考え始めました。そもそもフランス料理が根付いている土地ではないですし、周りを見渡してもフランス料理店がほとんどありません。これまで東京や名古屋で学んできた、高級食材をふんだんに使った料理は需要がないということを知りました。そこで、土地柄にあった自然に調和するような料理を研究し、高級料理というよりも、地域に根差した料理を考えたのです。ミクニで働いていた頃は、毎日全国から寄せられた良い食材が市場に並んでいて、その中でも特に一番良い食材を朝一に仕入れ、料理に使用するというこだわりが当たり前の世界だったのですが、入間はそういった環境ではないです。かといって東北のように海や山の良い食材がいつでも手に入る環境でもない。さてどうしたものかと、近辺のエリアをよりミクロに見つめてみると、実は興味深いことをされている生産者が沢山いたのです。例えば、坂戸の「セラーノ」さんという所で作られている生ハムは土着の菌で熟成しているんですね。食べてみると、スペインのイベリコやイタリアのパルマとは全然違う味です。聞けば、塩漬けした豚肉を吊るしているだけなんだとか。40年前にご主人がスペインから帰国して、「俺だけの生ハムをつくりたい」と家の納屋でつくり始めたのがきっかけだそうです。毛むくじゃらでカビが生えた生ハムなのですが、味噌や醤油の味がするので驚きました。他にも、この辺りで採れる野菜や庭に実るフルーツを潰してパンの種を起こし、地元の粉を使って焼いたり、バターにも日高市「弓削田」さんの醤油もろみを練り込んでみたり、近隣の酒蔵にある酒粕を様々な料理に使用したり。入間には「栗原養鶏」さんの鶏卵や、「貫井園」さんの原木椎茸、「こしょう本輔」さんの粒生コショウなどでお世話になっています。ただ、地域に根差した料理も行き過ぎると山里料理になってしまいますので(笑)。あくまでそういったものを輸入食材と調和させた“この場所でしか作れないフランス料理”を提供しています。

また、このあたりは車を交通手段とされる方が多いので、お酒を飲まれる方は少ないのですが、それでも料理と一緒にお酒を嗜みたいという数少ない方々楽しんでいただく為に、ワインソムリエの資格を取り、様々な銘酒を揃えています。種類だけでも250種類ぐらいありますね(笑)。この辺には質の良いワインを扱っている飲食店が少ないので、当店では楽しんでいただければと思っています。

生ハム

坂戸市の「セラーノ」さんで造られた生ハム。

庭の木を使用した盛り付け

伐採した庭の木などを盛り付け時に使用し、「ここでしか食べられない」料理を表現

日高市にある醤油蔵のもろみを混ぜ込んだバター(右)と飯能市“シーズニングラボ”さん調合のデュカタイムオイル

日高市にある醤油蔵のもろみを混ぜ込んだバター(右)と飯能市“シーズニングラボ”さん調合のデュカタイムオイル

250種類を格納したワインセラー

250種類を格納したワインセラー

さらに、地元の深みへ。

地域に根差した料理を提供しているとはいえ、地元の野菜を使うという地産地消の考えはかなり普及していて、今時どのレストランでもやっているようなことです。ですから、ウェロニカ・ペルシカでは地産地消の概念をさらに深く掘り下げてみました。食材だけでなく、カトラリーや皿、バター入れなども地域で生産された木材を地元の木工スペシャリストに渡し、制作してもらったのです。例えばカトラリープレートですが、三芳町三富新田のコナラの木を使用しています。三富地区は古くから平地林の木を利用した循環型農業を行っていて、そこで本来ならば捨てられてしまう間伐材を頂いたのです。バター入れの器には、駐車場に生えている桜の木を切って作りました。庭に生えている白樺と合わせて、祖母の代から大切に育てられた木です。今ちょうど寿命の終わりが来てしまった白樺の木が庭にありますが、その隣にはもう子どもの木が生えています。これで五代目ですね。もちろん、白樺の木も食器に利用しています。「入間文化創造アトリエAMIGO」でご紹介頂いた、今は無き「野田双子織」を再現した布で、当店のパン籠を作成しました。さらにお店の内装ですが、これも自然を活かしていますね。さくらやおにぐるみなどの国産無垢材を使用し、地元の自然と調和する空間を演出しているのです。

ウェロニカ・ペルシカは、地域性を考慮して、一般的な高級フランス料理店に見られるような厳しいマナーなどは特に求めていません。敷居の高さを感じられている方も、本格派フレンチを気軽にお楽しみいただければと思います。

ウェロニカ・ペルシカの内観

7種類の国産無垢材を使用した、自然を感じる室内空間。

「野田双子織」を再現した布で作成されたパン籠

「野田双子織」を再現した布で作成されたパン籠。

コナラの木を使用したカトラリープレート

コナラの木を使用したカトラリープレート

ウェロニカ・ペルシカ庭

お庭の様子。

人と人のつながり

生産者とのつながりは、常連のお客様からのご紹介や生産者同士の人脈で自然に広がっていきますね。例えば日の出町の社会福祉法人の方から養殖されたアワビを仕入れているのですが、そこから奥多摩ヤマメを紹介して頂いたり、あきる野の東京シャモを紹介して頂いたり。そうやってどんどん繋がっていって10年経ったのが今の状況です。私は基本的に受け身なタイプで、人懐っこくなければ腰も重いのですが、10年かけてゆっくりとつながりを広げてきました。これからも広がってゆくのではないかと思っています。生産者も私自身もお互いに経験が長いので、暗黙の信頼関係のようなものもありますね。こういった方々の存在は普通に暮らしていても中々気づかないことですが、改めて見つめ直すとたくさんいらっしゃるんです。それを地元の皆さんや訪れる方々にも知って、体験して、味わって頂きたいと考えました。ただ、こういったことは料理の味を楽しみにきたお客様に長々と説明してもお邪魔になってしまうかと思います。そこで、イラストマップを描いて、素材の生産地の情報が一目で分かるようにしてみました。イラストは入間在住の画家「ROB ART WORKS」さんが描いてくれました。もっと詳しく知りたい方には、当店のホームページを見て頂くよう裏面にQRコードも貼り付けています。

食材マップイラスト

入間在住の画家「ROB ART WORKS」さんに描いて頂いたというイラスト。一目で素材の生産地が分かり、楽しめます。

「奥多摩ヤマメのマリネとリエット キャビアとマスの卵添え スダチの香り」

「奥多摩ヤマメのマリネとリエット キャビアとマスの卵添え スダチの香り」(生産地:奥多摩町 氷川漁業協同組合さん)

「入間産・金ゴマの生地で包み焼きにした子羊、ゴマのソースとパセリのクリーム」

「入間産・金ゴマの生地で包み焼きにした子羊、ゴマのソースとパセリのクリーム」(生産地:入間市南峯など)

「日出町産・アワビのアンクルート 入間産・金ゴマの生地と地元のケール ゴマのクリーム」

「日出町産・アワビのアンクルート 入間産・金ゴマの生地と地元のケール ゴマのクリーム」(生産地:日出町 東京リハビリ協会さん)

日出町産・アワビのアンクルートを切り分ける前の状態

日出町産・アワビのアンクルートを切り分ける前の状態。お客様にお見せしてから切ります。

「高麗川の辺りで育った、西洋うずらのムース クープ仕立て 秩父産・鬼胡桃 ポルト酒のジュレ」

「高麗川の辺りで育った、西洋うずらのムース クープ仕立て 秩父産・鬼胡桃 ポルト酒のジュレ」(生産地:所沢市 株式会社モトキさん)

「あきる野産・東京シャモのドディーヌと入間産・栗原養鶏 卵のポッシェ 地元 ノラボウのソースジャスミン風味」

「あきる野産・東京シャモのドディーヌと入間産・栗原養鶏 卵のポッシェ 地元 ノラボウのソースジャスミン風味」(生産地:鳥問屋 加賀屋さん・入間市栗原養鶏さん)

ティーポットイラスト

2号店「コーヒーエイト“ウェロニカ”」

名目上の経営は妻になりますが、7年前に2号店もオープンしています。きっかけとしては、ワンちゃんです。うちは保護犬を飼っているんですね。そこで気になっていたことが、フランスやドイツ、スイスなどではカフェに犬連れの方が出入りしている風景は珍しくないのですが、日本ではドッグカフェでしか見かけないということですね。「コーヒーウェイト“ウェロニカ”」は、本格派のフレンチを扱うコーヒーショップでも、犬を飼っている方に気兼ねなく楽しんで頂きたいという願いを込めて開店しました。こちらも食材はもちろん、スパイスや内装の材木に至るまで、地元に根差した店づくりを心がけています。蔓延防止期間中はお休みをいただいていましたが、2022年3月25日から再開しております。テラス席だけでなく、個室やカウンター、テーブル席もワンちゃん用に開放しておりますので、お散歩の途中にも気軽にお立ち寄りいただけるかと思います。

コーヒーエイト“ウェロニカ”の外観写真

コーヒーエイト“ウェロニカ”の外観写真

コーヒーエイト“ウェロニカ”の室内写真

コーヒーエイト“ウェロニカ”の室内写真

入間市の魅力

東京にも30分ほどで行けて、山へもすぐに行ける。ゆったりしていて利便性もあるので、住むには本当にちょうどいいと思います。川越ほどのネームバリューはありませんが、こうやって目を凝らすと色々な興味深い事をやっている方たちもいて、落ち着いて暮らしたい方にはぴったりだと思いますね。

入間市のオススメ物件ご紹介!

会員登録で、未公開物件が見つかる。
理想の物件と出会えるチャンス!

入間でお住まいをお探しの方はこちら→